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真人間になるため

新感覚癒し系魔法少女ブログ

仏の味

最近家で、延々とホットケーキを焼いては食べ、焼いては食べという食生活を送っています。ホットケーキミックス(通称ホケミ)は非常にコスパがよく、すぐお腹いっぱいになれます。私はチョコソースや練乳を直飲みする過激派なのですが、ホットケーキにすれば生地でお腹が膨れ、一人暮らしなのでチョコソースかけ放題という最高の状態が出来上がるこの状況を非常に良しとしています。美味しいですよね、ホットケーキ。ホットケーキも好きですが、いつか自分の好きな食べ物についてダラダラと書こうと思います。私はAmazonのほしいものリストに好きな食べ物を追加していますので、これを読んだ人が送ってくれるといいな〜〜!?(家にホケミが残り1.2kgあるので送らないでください)

 

さて、本題。みなさんは小学生の頃の好物は何でしたか?味覚発展途上中の小学生は、お母さんのご飯や甘いものが好きという子が多いでしょう。クソ田舎に生まれた私の好物は、花の蜜でした。最近気になって調べた結果、小学生や公園でよく吸っていたのはホトケノザという植物であることがわかりました。このホトケノザという植物、割とどこにでも生えています。学校から帰る途中、役場の前に咲くホトケノザに群がり、茎から折っては花びらを抜き、吸う。あの時私達はミツバチになったような気でいました。ブンブンとランドセルを背負い、各々好みの花をむしり、蜜を食らう。このように書くとミツバチというより熊のほうが合う気がしますが、何はともあれ私達はミツバチだったのです。自称蜜吸いマスターの私は、小学6年生になるともう近所であれば、どこで何の植物が咲いているかは把握していました。

その日、蜜吸いマスターは友人2人で公園に行きいつものように蜜を吸っていました。同学年の奴らは、芽生えた恥とプライドにより、蜜を吸うミツバチの真似事を辞めていきました。しかし私たちは年齢という逆らえない激流にあえて挑みました。俺たちはいつまでもミツバチ、いつまでも一年生。ミツバチ蜜吸いマスターズは公園の林の中へ入り、手始めにキイチゴを食べることにしました。未だにこのキイチゴが本当にキイチゴだったのかは分かりません。友人が持った長い枝を操り、キイチゴを突きます。その下で私は「いつでも落ちてこいやー!」と掌をそっと上に向けて待機しました、袋使わんかい。いくよー!と声の後にバラバラと落ちてくるキイチゴ、手と脳の処理できるキャパシティを超えた量のキイチゴ、パニックになる私、落ちてくんな!と本末転倒な叫びを上げる友人、間に合わず地面に落ちるキイチゴ。阿鼻叫喚キイチゴク絵図のような林の中で私達はまた一つ大人になったのでした。手に入れたキイチゴをつまみながら、公園の整備された花壇の脇に生えるホトケノザをブチブチと抜き、ベンチで優雅に蜜を吸いました。その当時頭がおかしかった私は、蜜を吸っては「今日は湿気が多いから甘みが薄い」「ここらへんの花壇、日当たりがいいからさ、蜜の甘みが強いんだよ」とかガチの真面目に言っていました。ベンチに座りながら「昨日寒かったから、甘さが洗礼されてるな」と近くのドブ沼をさもアドリア海を見るような瞳で見つめながら呟きました。2人で花の蜜を無心にチュッチュチュッチュ吸っていると、犬の散歩をさせているおじさんが目の前を通りました。おじさんは先ほどホトケノザを回収した花壇脇に近寄ると、なんと、そこで犬におしっこをさせたのです。


(おっさん何してんの!!!!??!!?!)


えっ、えっと慌てふためき声を漏らす友人と、おっさんと手元のホトケノザを交互に見返す私。十分に排泄を終えた満足そうな犬はこちらを一瞥もせず去って行きました。その場に残されたのは、なんとも言えない、虚無と不思議な敗北感でした。天の恵みだと思っていた、恥とプライドを知らぬものだけが得られる、最高の食材ホトケノザの蜜。それは所詮、犬の尿にまぶされた、ただの植物だったのでした。小さな紫の花を風に揺らしていたお前も、結局のところ、汚穢にまみれ群れて咲くただの雑草ではないか、仏という名を堂々と冠しやがって、何が仏の座だ、犬の便座に改名しろ。
あぁ、私は間接的に犬のおしっこを吸っていたのか。私は、手に握っていた植物を林に捨てて自転車に乗りその公園を去りました。世界の中で2番目に犬が嫌いな私は、少しだけ目に涙を溜めました。それからあの公園にはもう何年も行っていません。もちろん、花の蜜を吸うことも辞めました。

それから数年、上京してきて近所の小学校の周りにあのホトケノザが咲いていました。しかし都会の小学生たちは、道端の花になど目もくれず帰っていきます。「あたしは知ってるよ、あんたが甘いこと。みーんな外しか見ないんだから……でも、めげんなよ」と私(広末涼子)は心でそっと呟きました。月曜9時に流れそうなセリフを言って、また道なりに歩き始めると、とある家に白い花が咲いていました。全体が白く中心から外へ濃い赤色を伸ばすその花は、すごく見覚えがありました。あっ!この花、実家の畑でみたやつだ!某ゼミのような既視感の謎が解けた私は、花を一つ失敬して、ちゅーっと吸いました。


この甘さ懐かしすぎ最高〜〜〜〜!!!!


そうして私は夏の始まりまでツツジを楽しみました。ちなみにツツジは品種により毒がありますので無闇矢鱈に吸うのはやめましょう。

 

小学生の頃は甘いものが嫌いだったのですが、花の蜜の少量でふわっと香る甘さは大好きでした。今でこそ糖分をガバガバ摂取するようになりましたが、自然から教えられるものって凄く多いんだなと思いました。余談ですが、私は小学生の頃1人も友達が居ませんでした。ここまで記事を読んでくださった方は「友人」と「2人」の部分を『私』と『1人』に変えて読んでみてください。あとは何も言うことはありません。